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読売新聞 変わる大学入試 (2014年8月29日から)

SAT


 研究実績などで世界のトップを走る米国の大学入試の模索が続いています。高校の成績や活動や人物も評価する多面的な選抜を進めるというものです。マサチューセッツ工科大学では、SAT(共通テスト)などの得点、高校の成績、課外活動の実績論文面接で総合判定をし、一定レベルに達したものを12人以上の会議で議論するそうで、18989人の出願のうち、合格者は1548人で、8%の合格率です。ハーバード大においては、40人の会議で願書を審査、多数決で入学を認定するという。世界各地で卒業生が受験生を面接し、「生涯をかけて社会に貢献する人材」を求め、合格率6%の超難関だそうです。神戸市の灘高校からハーバード大に進んだ楠正宏さんは、高校のデイベート部で活動し、国際大会で優勝した経歴を持ち、こうした大会や化学五輪などで受賞実績のある学生が多数合格しているのと同時に、貧困など厳しい環境で成績を伸ばした学生も潜在能力が評価されるといいます。世界的な競争に勝ち抜くため、大学に貢献できる多様な人材が選ばれるのだそうで、一点刻みの日本の入試は後手に回っているのかもしれません、とも話しています。

AO入試

 台湾や韓国でも総合評価に重点をおいた入試を試行錯誤しているようです。日本でも達成度テストを20年にも導入するような記事が出ていました。現行のAO入試も米国をモデルに、面接や論文で意欲や個性を重視した入試として広がったが、学力不問が多いとの批判も多いようです。

 社会が求める人物像が変われば、教育の在り方も当然変わります。私が出会った生徒さんで、こんなことを言った女の子がいました。「私は『ゆとり教育』の真っただ中で教育を受けてきました。机にしがみついた勉強だけじゃなく、いろんなことを知ったし、自分で考えることもできてよかったと思う。でも、進学校に行ったら、一点を競うことに執心して、知識を覚えることに意味を見いだせない。確かに自分の成績は悪いし、希望の大学へはいけないと思う。その時の時流に合った教育を受けて一生背負っていかなければならないのって、なんか変だと思う。」

 教育のめざすものは何でしょうか。確かに、正しい教育の在り方というものはありません。先ほども言ったように、社会が変化するからです。ですが、教育改革に振り回されることのないように、自分で考える、自分で学ぶ力、意欲を育てることが一番だと私は思います。そのために、自分のなぜ、どうしてそうなるの、という個人の疑問を持てる人、その疑問を解決できるように考え、文献を紐解き、行動できる人が豊かな時間を過ごすことになるのだと思います。学ぶことは、学校だけではないのですから。人は一生学んでいるのです。大人になってからもう一度教育を受け直したいと思う人もいます。大人になって数学の面白さに気づく人もいます。どんな教育改革がおきようとも、自分に向き合っていれば、必ず対応できるものだと信じています。

 昨今、意識的に学習することができない生徒さんが増えています。知識を入れてくれるのを待っている、覚えるために時間を割くこともせずただ椅子にすわって、待っているという生徒さんもよく見かけます。自分のことを表現できない、相手にものを伝えられるように文章を書くことができない、単語の羅列でしか会話できない、こういう生徒では、社会の変化に対応できないどころか、自分の人生まで貧しくしてしまいがちだと思います。  

国際バカロレア

 そういえばフランスの「国際バカロレア」(文部科学省)を知っていますか。試験は記述式が中心で、「哲学」の試験は、「我々は幸福のためにはあらゆることをすべきか」など3つのテーマから1つを選んで、4時間かけて論述します。私が、30年近く前にフランスに夏期講習会に参加したとき、フランス人の議論好きには驚いたものです。スーパーでレジの列に並んでいても、レストランで順番待ちをしているときも、政治の話や身近な話をほかの人の目も気にせず議論しているのです。レジの前には列ができてもお構いなしにレジを打つ人と話しているのです。あれから時代も変わりましたから、今ではそんな風景もみられないでしょうが、とにかく「ああ、サルトルボーヴォワールの国だわ(当時、彼と彼女に心酔していたので)」と思ったものでした。

サルトルとボーヴォワール

 議論をするには自分の意見を持たなければなりません。相手を説得するには、凝り固まった意見ではいけません。自分の考えを持つ、これは簡単なようで難しいことです。自分を知る、知識を得る、自分で考える、さあ、今、学習しているみなさん、是非自分に問いかけてください。自分で考えようとしていますか?

(代表)小夜子先生



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